ITコーディネーターの資格を取得したばかりの筆者。島根県でどんな活躍を見せてくれるのか!っていうか、そもそもITコーディネーターとは一体!?新米ITCの奮闘コラムを全10回に渡ってお送りします。
第7回 サービスレベルってご存知ですか?〜IT導入〜
さて、前回がITの資源調達でした。「何を選ぶか、どこを選ぶか」でした。 今回は、選んだ資源を業務に遜色無く、また投資したものが十二分に発揮できる環境づくりをしていく必要があります。
その環境を作るには、先ず受け入れ先の、つまり発注した側の体勢を整えていなければなりません。これは、細かい話しをするとPCを設置する場所だったり、プリンタを置く場所など。そして、それを運用する“人”の準備も。最近のITベンダーさんはそれぞれの業務も熟知している方が多いので、書類発行の手順などは意外と心配なく、むしろベストプラクティスを用いてくれたりするので、問題ないのですが、受け入れ側の新たなソリューションに対する準備ができていなかったりします。つまり、ソフトの使い方など。
これに関しては徹底的な且つ計画的な訓練が必要ですが、もう一つ、納入側との取り決めなどが重要です。
「導入時の教育をどのようにするか」「初期トラブルはどこまで面倒をみてくれるか」など、導入時や、次回に触れる活用時のサービスレベルについて、事前に同意しておく必要があります。
これを「サービスレベルアグリーメント」と言います。略してSLA(エスエルエー)です。サービスに関する基準を、予め導入者側と納入者側が同意しておくものです。本来ならば、納入契約時にSLAを締結する必要があるのですが、事が進んでからではないとわからない事も出てきます。なので、検収条件として導入に関するSLAを考える必要があります。
今までは、IT機器やソフトなどを納入する側が一方的にこの基準を構築し、お金を払って買う側の方に、半ば押し付けた状態でした。これは、買う側がITに関する知識などがないこともそうですが、一種のアレルギーを持っているからという理由もあります。
しかし、臆する事はありません。「こうして欲しい」「いつまでに何をどうして欲しい」と訴える事で自然とSLAが作られる事もあります。
お互いが納得して同意する事が、導入時にやるべきことです。
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筆者プロフィール
多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
.iz-com―イズコム―
10年以上のサラリーマン経験の後、フリーター、海外流浪生活などを経て郷里の島根に戻り個人事業でITサポートを展開
2007年8月ITコーディネータの認定を受ける
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第6回 何を買うか?どうやって買うか?〜IT資源調達〜
暦の上では啓蟄を過ぎ、いよいよ春ですね。しかし、まだまだ風が冷たく、体調管理が難しい日々が続きます。
IT戦略を考え、「ITで何をやるか」を決めてきました。何でもかんでもITを使えば確かに楽な部分はあるのですが、かえって仕事がややこしくなる事も多くあります。人の能力はたいした物で、人的な力を使った方が良い場合がたくさんありますよね。考えてみてください。例えば電話注文を受ける会社。自動受注のシステムを入れてもいいのですが、これは相手のある事。この電話受注は相手の環境が変わらない限り、延々と続きます。「でも、音声変換機でもつけりゃぁ・・・」と、御社のITに詳しい社員さんはおっしゃると思うのですが、社員さんは肝心なお金の心配などしません。
そこで、今回の大テーマ、「資源調達」です。
前回の「IT戦略」では、車で言うなら、トラックにするか、ワンポックスにするかを決め、それで何処に行くか、どんな能力が必要か、更には内部の必要な部品はどんなものにするかを決めました。
今回は、それに関する予算を含めてどうやって選択するかが主題です。
先ず、ITベンダーに「こんなもの探しているのだけど」という、こっちが探している旨を伝えます。それをRFIと言います。Request for infomation の略です。相手からはそれなりの回答が来るはずです。車で言う、カタログでしょうか?そして、あなたが何かを買う時、「これだけは絶対外せない」という条件が幾つかあるはずです。その条件を明確にし、それに付随する条件をならべ、ITベンダーにそれが可能かを質問します。RFPと言います。Request for proporsal です。相手からの提案を意図的に引き出す物です。
これでやっと購入者側としては選択できる体勢になったのです。
普通は、単純に数件の相手先から仕様書と見積りをもらい、選択してから相手と内容を詰めていきます。しかし、実はこれでやっていたら、もう後戻りできない時点で、「あっやってしまった」なんてことになります。
「これだけは外せない」などの重要なポイントに高めの点数をつけ、重みを付けながら、選択していきます。そして、出てきた物が最優先の選択肢ではないでしょうか?
ちょっとしたセットなら直感のようなものでも決めてしまうのですが、今や小規模用のシステムでもすぐに100万を超えてしまいます。ならば、慎重に選びたい物ですよね。
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多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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10年以上のサラリーマン経験の後、フリーター、海外流浪生活などを経て郷里の島根に戻り個人事業でITサポートを展開
2007年8月ITコーディネータの認定を受ける
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第5回 ITを使ってやること、使わないでやること〜IT戦略〜
ずいぶんとご無沙汰をしてしまいました。失礼致しました。
「で、なんだっけ?」と思われそうなのですが・・・
前回までは経営戦略についてクドクドと書きました。私たちが通ってきたケース研修でも約半分を経営戦略についてやります。この作業は本当に頭痛かったのを覚えております。
さて、自分たちの会社の事業戦略を策定し、これをどうITを使うか?ここも大変重要です。企業のIT利用というと、「ネットで売るの?」と想像される方も多いでしょう。しかし、ネット販売だけがIT利用ではありません。更に言うなら、必ずしもネットで販売しない方法を選ぶのも、有効なIT利用なのです。IT戦略とは、「ITをどう使うか?どこで使わないか?」を選択するところから始まるのです。
例えば経営戦略で、「経営状態を幹部社員で共有する」という項目があるとします。誰もが直ぐに「ブループウェアで誰でも見られるようにすればいいじゃないか」となるでしょう。しかし、会社の大事なデータをそう簡単にグループウェアで見られるようにしても良いのでしょうか?セキュリティのこともそうですがそれ以前に、対象となる幹部が会社経営に関する財務諸表の見方を知っているかということまで考えなければならないのです。大企業で、幹部にはそれなりの方達がなるような状態であればそんな必要はないのですが、中小企業の現場第一主義でやってこられた方達にとっては、ちょっと難解な世界ではないでしょうか?(実は私も一番苦手な分野でして・・・)。財務諸表を「難解」と感じる方にいくらグループウェアで見易い方法をとったとしても、おそらくほとんど見ないでしょう。それならば、幹部会議で、予め刷られた物を、またはプロジェクタなどで、その場で共有する方がよほど効果があるのです。
また、個人で何か売っている方に「ネットで売ればいいじゃないか」と何気なしに、または強引に勧める事があるようです。しかし、その方が現状の売上で十分満足な状態であれば、無理にネット販売する必要もないのです。最悪なのは、ネット販売が思った以上に売れた為に品質が落ちる事もあるのです。
何が言いたいかというと、ネット販売するなら、それ用の販売量を予め決め、品質が落ちないよう生産方法などもしっかり考え、しかも原価割れしないような準備が必要なのです。
「ITを使えばっ」と、意気込む前に、現在の状況をしっかり踏まえてから、「どのようにITを使うか」をしっかり考えることが大切です。
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多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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第4回 IT利用を考える前に〜経営戦略策定その2〜
大変しばらくぶりです。失礼しました。さて、経営戦略のお話しの続きです。
「経営戦略を策定」と一言で言っても、「何をどうするのか」、「どこからどう始めるのか」など、疑問な点が多いと思います。
では、「先ず、何から?」です。
企業や事業を行っている方々、誰もがお持ちであると思うのですが、「企業理念」というものがあります。自分たちの会社や事業が社会のためにどうあるべきかを説いたものが多いと思います。その理念に基づいて事業をやっているはずなのに、なかなかうまくいかないのが現実です。
「経営戦略策定」のフェーズでは、その“あるべき姿”を明確にし、それを実行する計画までを策定します。
では、どうするか。
事業の現在の姿はどうなのだろうか?顧客は?ニーズは?自分たち独自のノウハウは?あらためて問われると、なかなかパッと出てこないと思います。それをなんとか捻出することによって、その企業、事業の“価値”が明確になります。そこで初めて、その事業の問題点がはっきりする事もあります。
そして次に、事業の内部と外部の環境を分析します。俗に“SWOT”といいます。強みのS、弱みのW、機会のO、脅威のTを一度に並べる事で、その企業の内部ととりまく環境がわかります。そこからその会社がどういう方向に進むべきか、その要因を抽出します。その会社の“あるべき姿”が映し出されます。幾つかの成功要因を出したら、それを成就するための要因をブレイクダウンしていきます。
更にその成功要因をバランススコアカード(BSC)に基づいて、ビジネスプランを作っていきます。もちろんそこには要所要所の目標値などもなくてはなりません。“あるべき姿”を基にした「経営戦略企画」が出来上がります。
それを一つずつクリアできる企業の組織体系や実行手法などを個々に策定し、「経営戦略実行計画」となります。
普段は主に図説しているので、言葉だけ並べた状態ではなかなか伝わらないと思いますが、一つだけわかって頂きたいのは、「経営戦略なくしてIT戦略なし」ということです。
ITをうまく使いたければ、まず経営戦略を明確にすることです。 そして、次回はいよいよIT戦略についてのお話しです。
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筆者プロフィール
多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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10年以上のサラリーマン経験の後、フリーター、海外流浪生活などを経て郷里の島根に戻り個人事業でITサポートを展開
2007年8月ITコーディネータの認定を受ける
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第3回 IT利用は何のため?〜経営とITと〜
一昔前、コンピュータは「電算機」として様々な組織で活用されていました。その主な使用目的は「計算機」としてではなかったでしょうか。経理の計算や売上集計、給料計算など数字の処理の道具として、大変便利なものでしたがその反面、とても高価なものでもありました。それ故、コンピュータを導入できる企業は限られており、特に中小企業にとっては高嶺の花でした。
Windows95の出現で、コンピュータが一気に身近なものとなり、その後急速に中小企業はもちろん、個人単位でもコンピュータを持つことが安易になってきました。この変化は、技術的に大きな変化があったことは確かですが、なんと言っても「ネットワーク」の技術が一般化され、それが市民レベルにおいても安易に使えるようになったことで、用途の範囲が一気に広がったことが大きな原因だと思います。
それまでは“past”である過去の数字の処理等にしか用途が無かったコンピュータが、“as-is”、つまり現在の仕事を処理することはもちろん“to-be”、いわゆる未来への戦略の道具としても使えるようになったのです。
この大きな変化により、ITをうまく使うことが、企業の未来を大きく左右することとなりました。しかし、現状ではなかなかうまく使えていないのが現実のようです。
では、どうするか。
コンピュータ導入に際して、先ず相談するのはコンピュータ関連会社だったり、メーカーだったりします。ほとんどの場合、そこには経営的な戦略は無く、企業側の業務に併せた形のソリューション等をITベンダーが提案し、それを導入するという手順になると思います。
ただ、それでよろしいでしょうか?
先程も述べた通り、「ITを企業の未来に活用する」という目的を考えれば、ITベンダーが提案してきたものだけでは、不十分ではないでしょうか。
ITを経営戦略から考えるにはどうするか。
次回はもう一歩踏み込んで考えます。
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筆者プロフィール
多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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第2回 ITコーディネータって何する人?
2007年の今年、石見銀山が日本で14番目の世界遺産に登録されました。かなりこじつけではありますが、私たちは島根県で14人目のITコーディネータです。同時に認定を受けた方が県内にもう一人いらっしゃいますので、二人で分け合う形になりました。話題になったコミック『島根の弁護士』では、当時の状況を「島根には弁護士が26人しかいない・・・」と全国水準とくらべたら、その数は非常に少ない状況を物語っていました。ITCも島根にはまだ15人しかおらず、本当はまだまだ足らないはずなのですが、まだまだ認知度が低いようです。
ところで、その「ITコーディネータ」って、一体何をする人なのでしょうか?私自身、8月の認定以来あちこちで新しい名刺を配っていると聞かれるのが「ITコーディネータって何?」という質問です。みなさんなんとなく、ITと人とを結びつける立場というイメージは湧くようですが、それ以上のことはあまり想像できないようです。
ITCには大きく分けて2種類存在します。一つは何らかの形で独立している独立系ITC。もう一つは企業に所属している企業内ITC。
独立系ITCはそのほとんどが経営コンサルタントだったり、会計士の方であったりします。これは、ITC認定制度ができた最初の5年間、中小企業診断士や会計士の資格を持った方達には“特別認定制度”というものが存在し、既に企業コンサルタント等の事務所をやっていた方々が資格を取得したこともあってのことです。具体的には、通常の経営支援活動の一環として、ITCのスキームを用いたり、経営改革にITを活かした形を提案したりと様々です。実は、恥ずかしながら私もこの独立系ITCの一人なのですが、会計士などの資格は持っておらず、当面は現場業務改善を主としたITコンサルタント、ITサポートを行ってまいりたいと思います。
一方の企業内ITCにも数種類あり、代表的なのはソフト開発会社などのいわゆるITベンダーに所属するITC。自分たちの会社の製品をお客さんに提案する時、その製品だけではなくお客さんの経営状況も踏まえた提案をするのが大きな役割なのでしょう。そして最近増えてきたのが、取扱品目にIT機器やソフトはないものの、会社が大きい為に独立した情報管理部門を持っている企業のIT担当者がITCになるケースです。この方達の仕事の内容は、ITベンダー所属ITCと違い、独立系の人達の動きに似ています。自社の経営戦略に不可欠となったIT資源をより効果的に活かすための活動をしています。
どういう立場にしろ、ITCの仕事として共通するのは、「どういった場合でも、ITを経営に活かすことを考える」という理念をもっています。 日本の各産業を下支えしているのは多くの中小企業であり、各々が持つ卓越した技術やノウハウを持っています。しかしながら、バブル崩壊等の不景気に加えて、突然のようにやってきたIT革命が、本来持っている中小企業の底力を右往左往させているのではないでしょうか。
そんな力のある中小企業が、ITに関することで悩んでいたら、お近くのITCがどんな問題でも、真剣に相談にのり、取り組んでくれると思いますよ。
そして、次回からは「具体的にどういった手順を用いるのか?」などについてお話しします。
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多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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第1回 ITコーディネータって何?
世の中には様々なコーディネータが存在しています。カラーコーディネータ、福祉環境コーディネータ、インテリアコーディネータ、中にはアロマコーディネータというのもあるということです。
それぞれ、専門的な知識を有し、様々な場面でその状況に相応なものを提供できるようアドバイスをするのが、共通したところでしょう。
昨今、ITが仕事はもちろん、家庭においても必要不可欠な“モノ”となっています。そのITの世界にも、「ITコーディネータ」なるものが存在します。その活動の場は様々で、そもそもITコーディネータ制度が設立されたのは2000年。当時バブル崩壊後10年を過ぎても景気回復の兆しがはっきりと見えなかった日本経済。競争力もかつて世界第一位だったのが24位まで後退していました。世界的にはITバブルが起きていながら、うまくその波に乗れなかった日本。そして国内でも、IT革命により、より効率の良い経営が求められながら、無駄なIT投資が還って経営を苦しめる例が後を絶ちませんでした。
そこで、当時の通産省(現経済産業省)が、国際的な経済競争力向上と国内経済の効率化のためにITを駆使する方策の一つとして、経営者とIT系会社(以下ITベンダー)の橋渡し役としてのアドバイザー制度を構築したものです。
では、このITコーディネータが具体的に何をする人か。そのお話しは、次回。
次回は【ITコーディネータって何をする人?】
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多々納健一(ITコーディネータ:0078482007C)
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